こんにちは!Benchmark Emailメールマーケティングアドバイザーの山本と申します。これまで100社様のご相談に乗ってきた経験から、特に多かったご質問について、私がいつもお答えしていた内容をブログでご紹介していきたいと思います。

今回は、メルマガコンテンツや配信時間を決めるために必要な「ペルソナ設計」の話です。

メルマガのお悩みの多くは「読者像」の設定で答えが出せる

初めてメルマガに挑戦するときはもちろん、一度軌道に乗ってしまってからも、メルマガ担当者にはこのようなお悩みがつきものですよね。

  • コンテンツ
  • デザインや文章の雰囲気
  • PC/スマホのどちらで読まれることを想定するか
  • 送信時間
  • 配信頻度
  • 送りわけ(セグメント)をしたほうがいいのか

こうしたお悩みを解決するために役に立つのが「読者像」です。

友達であるA君にお祝いを伝えることを考えてみましょう。
このとき、何曜日の何時に伝えるか、どんな構成で話を組み立てるか、どんな文体(口調)で伝えるかといった検討事項がありますね。しかし「A君」という伝えるべき相手のイメージが明確にあるので、お祝いの気持ちが一番いい形で伝わるように、自然と工夫できます。メルマガも同じで「どんな人が読んでいるのか」というイメージがあると、コンテンツや送信時間を決めやすいのです。

読者像の中心となる人物のプロフィールを考える

あなたのメルマガ読者としてどのような人物像が考えられますでしょうか? メルマガをやるからには会社には狙いがあるでしょうから、上司などわかる人に聞けばすぐに解決するかもしれません。営業部や販売店など実際に読者に接する部門があれば尋ねるのも有力でしょう。

広告会社が行うような本格的なペルソナ設計をやろうとすると、大変時間がかかってしまいますので、メルマガ担当者に最低限必要なものを考えていくのがコツです。

メルマガ読者のペルソナ設定で押さえたいポイントはこちらです。

  • どんなことを知りたいと思っているか(コンテンツ決めのヒント)
  • どんな文体やデザインが好まれるか(トーン&マナー)
  • 何時頃にメールを読むか
  • PCとスマホどちらで読むことが多いのか
  • どんな頻度でメールを送るのが好まれるか
  • いくつかの読者層がある場合、上記の設定を変えたほうがいいのか(セグメント配信)

これでも重く感じるかもしれませんが、具体的には、年齢や性別、職業や住んでいるエリアなどの客観的情報などの客観的情報をもとにした、シンプルなもので大丈夫です。

例:「関東に住む40代の会社員男性」
例:「関西に住む30代の子育てをする女性」
例:「過去に自社の商品を購入してくれた学生」

ペルソナの例(メルマガ読者の人物像)

よりペルソナの設定を深めたい場合は、チームメンバーのだれもが知っている顧客「Aさん」をモデルにして、Aさんならこういう行動をとりそうだよね、という連想ゲームを行うと設定しやすいと思います。箇条書きよりストーリー仕立てのほうが、発想が膨らみやすいことが多いです。ペルソナ像を作る練習として、芸能人をモデルにして練習するのも良いでしょう。

たとえば家族アルバムアプリ「Famm(ファム)」の事例では「主に20代から40代の子育て中の女性」と読者像を設定しています。

子育て中の女性に読者像を設定している「Famm(ファム)」の事例記事はこちら

 

複数の読者像がある場合は、セグメント配信を検討

複数の読者像が想定される場合は、ペルソナも複数つくるといいでしょう。

読者像に用いる情報が、顧客リストに入れられる項目であれば、メール配信の際に絞り込み配信(セグメント)が必要になったときにも役立ちます。

複数設定する例:企業と就職希望者の交流会を主催する部門の場合
「30〜50代の、企業の採用担当者」
「20代の、就職先を探している学生」
「20〜50代の、転職を考えている社会人」

普段はさまざまな読者層へ向けて同じメルマガを送っている場合でも、上記の3ペルソナに分けられるという分析ができていると、より効果的な施策を取ることができます。例えば、企業へは業務時間に配信して、社会人や学生には帰宅時間に配信しよう、というセグメント配信のアイデアが生まれます。

読者像の生活時間に合わせた配信を

プロフィールが決まったら、その人の生活のリズムや行動パターンなどを考えて、メルマガを読む時間帯や、適切な配信頻度などを考えていきましょう。

例えば、ビジネスメールとして読むのか、プライベートで読むのかによって、送信時間が変わります。ビジネスメールであれば営業時間中に送る必要がありますし、プライベートであれば帰宅後を狙って夕方以降や、通勤時間に読んでもらうこととなります。

例:ビジネスメールは昼休み〜昼休み明けを狙って12:00に
例:お取り寄せグルメはお腹が空いている退勤時間を狙って17:00に

考え出したらキリがなくなってきますので、迷った場合には、Google Analyticsなどの解析ツールを使って、自社のメインユーザー、できれば購入に辿り着いているユーザーがWebサイト上でどのような行動パターンをしているか探ってみましょう。

アクセスが多い時間帯はいつなのか?を調べるだけで随分とイメージがはっきりしてきます。アクセスが多い時間帯はメールを送るのに適した時間である可能性が高いです。

関連記事:メルマガを配信する時間と曜日の”正解”は?読者の行動時間と調査データから仮説を立てよう

 

使用デバイスを意識したデザインに

配信時間や頻度だけでなく、読者の使用デバイスも意識してメールを作成してみましょう。PC/スマホどちらのデバイスで読まれているかは、自社サイトのアクセス情報が参考になります。

当社が行った調査結果によると、仕事用・プライベート用のメールアドレスそれぞれで受信したメルマガを読むデバイスの割合は以下となっています。

【調査結果:スマホ/PC比率のデータ

【調査結果:スマホ/PC比率のデータ】

ビジネスメールであれば多少フォーマルなデザインやPCを想定したデザインが良いかもしれませんし、プライベートで帰宅後や移動中に読むのであればスマホ中心のデザインが読みやすいかもしれません。

たとえばファッションECサイト「Tshirt.st」の事例では、完全にスマホ向けに特化したメールデザインの例を見ることができます。

スマホ向けに特化したメールデザイン「Tshirt.st」の事例記事はこちら

読者はどんなことに何に困っているのか?何に関心があるのか?

これでメルマガの読者像ははっきりしてきたと思いますが、ここからはさらに読者の気持ちに寄り添ってみましょう。読者がどんなことに困ったり、悩んだり、どんなことを知りたいと思っているのか?などを考えてみてください。

それらが分かってくると、継続的に配信していくテーマや、メールで伝えるべき内容が定まってくるため、読者にとって価値のあるメルマガを作成できます。迷った場合には、解析ツールで需要を調べたり、顧客対応をしている部署にヒアリングをしたり、顧客に「どのようなコンテンツを読みたいか?」とアンケートをとってみても良いかもしれません。

「あなたのメルマガが、読者にどんな風に役に立てるのか?」までを考えることが、読者像をつくる際のゴールです。

ちなみに、当社調査によると、メルマガ登録時に読者が期待しているコンテンツは以下のようになりました。

【調査結果:メルマガに期待しているコンテンツ

【調査結果:メルマガに期待しているコンテンツ】

こうしたデータも参考にしながら、ご自身の読者であればどのようなコンテンツを期待しているかを考えてみてください。

具体的なコンテンツの作り方についてはこちら:ネタ出しどうしてる?メルマガコンテンツの基本的な作り方

まとめ

メルマガ読者像の設定方法と、適切な配信時間などの考え方をご紹介しました。今後の記事でも「読者像」の設定が前提となりますので、みなさんもぜひ以下のポイントを押さえて、読者像を考えてみてください。

  • どんなことを知りたいと思っているか(コンテンツ決めのヒント)
  • どんな文体やデザインが好まれるか(トーン&マナー)
  • 何時頃にメールを読むか
  • PCとスマホどちらで読むことが多いのか
  • どんな頻度でメールを送るのが好まれるか
  • いくつかの読者層がある場合、上記の設定を変えたほうがいいのか(セグメント配信)

出来上がった読者像は、社内で関係する人たち、例えばWebサイトや広告、SNSなどを担当している人たちと共有しておきましょう。思わぬフィードバックや連携ができて、より良いメルマガ作りにつながるはずです!

*本記事は、2020年11月に公開した記事をアップデートしたものです。

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著者情報:

by 山本 美智