本記事では、メールマーケターの皆様に最新情報をお届けします。2024年2月より施行される、GoogleとYahooにおける新しい迷惑メール判定ポリシーは、迷惑メール判定を受けないために必ず確認しておきましょう。
目次
Googleと米Yahooの迷惑メール判定ポリシー
先日Googleと米国Yahooが新しい迷惑メール判定ポリシーを発表し、メール配信者は自身のメルマガが迷惑メール判定を受けないよう、以下の条件を守るように伝えられました。
GoogleとYahooから迷惑メール判定を受けないための3つのポイント
- 送信元のドメイン認証設定を行う
- 購読停止を簡単に行えるようにする
- 迷惑メール率を0.1%未満にする
-対象
GmailとYahoo!メールアドレスへのメールの一斉配信者
-影響
条件を満たしていないメールは、受信拒否や迷惑メールボックスへ分類される可能性が高くなる
-開始時期
Gmailでは2024年2月から、Yahoo!メールでは2024年3月までに適用が始まる
実は今回制定された条件はいずれも、一般的なメールマーケティングベストプラクティスとして長年推奨されてきたものです。全体的な到達率向上が期待できますので、ぜひこの機会にクリアしておくのが良いでしょう。3つのポイントを守るための運用方法を見ていきましょう!
(参考文章)
New Gmail protections for a safer, less spammy inbox – Google
メール送信者のガイドライン – Google
More Secure, Less Spam: Enforcing Email Standards for a Better Experience – Yahoo
Sender Requirements & Recommendations – Yahoo
*2024年5月8日時点で、日本のYahoo!メールにおいては同様の措置は予定していないとのことです。
Yahoo!メールからのお知らせ – LINEヤフー株式会社
1. 送信元のドメイン認証設定を行う
迷惑メールの中でも有名なのがなりすましメールですが、「ドメイン認証」は、送信元アドレスがなりすましではないことを示す電子証明書です。
メール配信システム(Benchmark Emailなど)を利用してメールを送っている場合は、実際にメールが配信されるサーバーと、送信元アドレスのドメインサーバーが異なるという状況が起こります。このとき受信サーバーは、送信元アドレスが本物であるか、SPF、DKIM、DMARCなどの電子証明書を参考に判断します。この電子証明書の設定、つまり「ドメイン認証」を行うことが、これまで以上に強く求められるようになりました。
なお@outlook.comや@gmail.comなどのフリーアドレスを送信元に使っている場合は、ドメイン認証設定を行うことができません。ご利用のサーバで独自ドメイン取得サービスを提供していることが多いかと思いますし、また日本国内では以下のようなサービスがありますので、まずは独自ドメインの取得を推奨します。
–お名前.com
–ムームードメイン
- アカウントの「ドメイン認証設定機能」ページよりSPF/DKIM/DMARCの認証作業を行ってください。
手順:送信ドメイン認証を設定する方法(動画あり) - ドメイン認証を完了するまでの間は、新ポリシーの認証条件を満たしたBenchmark代理配信アドレスからの配信が可能です。ただし代理配信中はドメイン評価を利用者間で共有することになりますので、ご自身で到達率を管理するため、ドメイン認証設定は必ず行ってください。
- フリーアドレスを送信元としてご利用の方も同様にBenchmark代理配信アドレスご利用いただけますが、独自ドメインの取得と認証設定をお勧めします。
- ユーザー様向けに分かりやすい解説記事と動画をご用意しております。
2. 購読停止が簡単に行えるようにする
購読を希望しない受信者に対して、以下の仕組みを提供する必要があります。
- 購読停止手続きはわかりやすく、ユーザーにログイン等を要求しない。
- 停止申請は2日以内に適用される。
- メールのヘッダー情報にOne-click unsubscribeシステムを組み込む。
このルールは、Gmailにおいては「1日に5000件以上をGmailアカウントに送信するメール配信者」と対象が限定されていますが、Yahoo!メールにおいては特に限定されていません。
なお受信者が購読しているメールが対象であり、システムやサービスの利用に必要な通知メールは対象とされません。
- Benchmark Emailでは要件を満たした購読停止システムが採用されておりますため、ユーザーの皆様による特別な対応は必要ありません。
- 購読停止リンクは、必要な読者が見つけやすいように設置しましょう。
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3. 迷惑メール率を0.1%未満にする
受信者は迷惑メールを受信したときに、GoogleやYahooに苦情報告を行い、その配信者からのメールをブロックしてもらうことができます。今後のメール配信者は、この迷惑メール率を 0.1% 未満*に維持する必要があります。
そもそも、受信者が迷惑メール報告を行う背景には以下が考えられます。
・受信を希望していないのに無断でメールが送られてきた
・購読しているメルマガへのエンゲージが下がっており、メルマガが届くことにフラストレーションを感じた
・購読停止手続きをする方法がわからない、または煩雑だと感じた
ドメイン評価に大きなダメージを与える「アドレスリストの購入」や「無断配信」は絶対に避けましょう。また日本では、約4人に1人が購読停止する際に「迷惑メール報告」をよく使うという調査結果もありますので、長期間開封していないエンゲージが低い読者へは配信を控えましょう。
*Yahooメールでは0.3%未満、Gmailでは「Postmaster Tools で報告される迷惑メール率を 0.1% 未満に維持し、決して 0.3% 以上にならないように」と規定されています。
- 迷惑メール率をご自身で管理するため、ドメイン認証設定を行って独自アドレスでの配信を行いましょう。
- オプトインを得ていないリストへの配信は禁止されています。
- 購読停止リンクは分かりやすく設置しましょう。
- Yahooへ送られた苦情報告数はBenchmark Emailのメールレポートで確認できます。
- Gmailの迷惑メール率はGoogleが提供するPostmaster Toolsで確認できます。
- 苦情が発生した場合は、エンゲージが下がっている読者への配信を控えるためにホットリード機能やエンゲージメントスコア機能などをご活用ください。
迷惑メール判定ポリシーについてのまとめ
近年GoogleやYahooは迷惑メールや詐欺メールの自動検知に大変力を入れており、そのためのアルゴリズムも日々進化しています。今回のポリシー策定は、精密なスパム検知を行うために配信者へ協力を求めるものなのでしょう。
迷惑メールが届かなくなるということは、購読者がメルマガを受信箱で見つけやすくなるということですので、正しく運用をしているメール配信者にとっては嬉しいことです。
この機会を追い風として、引き続き読者とのエンゲージを深めていきましょう!
その他のGoogle関連ニュース
Googleのアカウント削除ポリシーについて
2023年5月17日より、Googleは2年間利用されていない個人のGoogleアカウントを削除するポリシーが適用開始となり、実際にアカウントの削除が始まる12月1日まで残り僅かとなりました。つまり、世界中でたくさんのGmailアドレスが消滅することが見込まれています。
アクティブでないアカウントの持ち主は、既に日頃からGmailでメールを読まない未開封者と考えられるため、アカウントの削除が実施されてもメールマーケターに大きな影響はないと思われるかもしれません。
しかし、これまで届いていたメールが届けられなくなることで、エラー率が増加してしまい、その結果ドメイン評価に悪影響を与え、到達率を低下させる可能性があります。
削除実施日までに、エンゲージメントの低い(長期間開封をしていない)Gmailアドレスを配信から除外する、などの対応を検討してみても良いかもしれません。
関連機能FAQ:ホットリード機能とはなんですか?
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本記事は、2023年11月に公開した内容にアップデートを加えたものです。