本記事では、メールマーケティングのエキスパートであるBenchmark Emailのチームメンバーからの意見や経験を共有し、メールマーケティングでやってしまいがちなミスとその対策をご紹介します。
私たちは日々メールキャンペーンの奥深さを体感し、トレンドの分析、戦略を最適化することでお客様のメール配信が成功するようお手伝いをしています。そのメールマーケティングの最前線で培った豊富な知識をもとにマーケターに気を付けてほしいポイントをまとめました。
経験豊富なマーケターでも、初心者でも、メールマーケティングを成功につなげるためのヒントとして使ってください!
目次
1.配信前のテストを行わない
山本百合子|マーケティング、プロモーション、カスタマーサクセス
メールの本送信前に、テスト配信で件名や本文の確認やWチェックを行わないケースを見かけます。
件名・本文の誤字脱字や、前回のメールから件名を変更せず送信してしまうケース、リンクの更新し忘れ、受信デバイスでメールデザインが崩れてしまうなどのミスは、本配信前のテストメールで防げる可能性が高いです。
可能であればメールを作成した担当者とは別の方がWチェックを行うフローにすると、自分では気づけなかったミスに気づきやすいためおすすめです。
関連記事:メルマガ配信業務における失敗談調査 2023年度版
2. ゴール設定せずにメルマガを配信してしまう
アリー・ウルフ|プロダクトマーケティング責任者
配信する全てのメールに明確なゴール、目的を持って運用を行わないと、不利益を被ることになります。
多くのブランドやビジネスがマーケティング戦略にメールを活用しており、消費者の受信トレイが一杯になる中ただただメールを送っているのでは結果に繋がりません。このメールで達成したい目的は何か、また読者の興味に沿った行動喚起があるかどうか、必ず明確にしておきましょう。
オーディエンスに合ったコミュニケーションを配信することで、信用を築くことができ、メールをリソースとして捉えてもらえるようになります。
3. 画像とテキストの量がアンバランス
デミ・チェン|マーケティング部門
メールマーケティングで陥りがちな落とし穴といえば、画像とテキストの比率のアンバランスです。特に初心者の方は、メールを画像で埋め尽くしてしまう傾向があります。
ISPによりプロモーションコンテンツやスパムと分類されてしまうリスクが高まり、主要な受信箱に届く機会を逃してしまうことにつながってしまいますので、画像:テキストの比率を4:6に保つことをおすすめします。
一方、メールの内容が長すぎるというミスもあります。
メールを読み続けるかどうかは最初の10秒程で判断されてしまうため、パッと見メールの内容が長すぎると最後まで読む意欲を削いでしまい、せっかく作成したコンテンツが無駄になりかねません。メールコンテンツはなるべく短く簡潔に抑えることをお勧めしています。
メール内では概要を簡単に紹介し、詳細については「詳しくはこちら」などのCTAリンクでウェブサイトへ誘導することをお勧めします。
4. 本当に必要なメルマガ配信ツールを選択できていない
ジョナサン・ヘリック|CEO
ありがちなのは、自分たちのニーズや運用戦略、目的を見極めないまま、人気や知名度の高さだけでメルマガ配信ツールを選択してしまうことです。その結果、必要条件を満たせないツールに多額の投資をしてしまうことも。
マーケティング担当者は、徹底的な評価を行い、自分たちのニーズを正確に把握することがとても重要です。マーケティング目標との整合性を確保するためには、様々なツールの機能と限界を注意深く調査するようにしましょう。
5. 最低限のことしかしない
エリン・ポージー|カスタマーサポート&サクセス部門責任者
メールマーケティングが、リスト全体に定期的にメールを送るだけの簡単なものだと思い込んでいることが一番大きな間違いだと思います。
メールマーケティングを成功させるためには、自動化、パーソナライズ、メールのバリエーション、CTA、テキストと画像の適切な比率などのツールを使って、情報とデータに基づいたコミュニケーションをすることが重要です。
このような運用はエンゲージメント向上にも非常に重要で、将来のメール到達率にも大きな影響を与えます。
6. 既存のコンテンツをメール配信に使い回していない
ナタリー・スライマン|コンテンツマーケティングマネージャー
ブログ・SNS・Web広告・セミナー・ホワイトペーパーなど、マーケティングのために作成したコンテンツを、十分に活用しきれていない担当者は多いと思います。
メルマガでは、購読者や顧客にとって役にたつ情報を届ける必要性がありますよね。過去のマーケティングキャンペーンで反響の大きかったコンテンツをメルマガの方向性に役立てたり、メルマガ内のリンクから既存のコンテンツへ誘導することができます。どのブログ記事が最も閲覧されているかを確認し、その情報を参考に同様のメールコンテンツを作成することで、さらなるエンゲージメントの向上を目指しましょう。
7. リストのメンテナンスを行わない
ジェシカ・ランク|グロース・マーケティング部門
リスト管理はメールマーケティング運用の中で見過ごされがち。エンゲージメントの低いコンタクトの削除、リストのセグメンテーション、コンタクトデータの更新、ランディングページやフォーム、その他のツールによるリスト育成など、リスト管理作業は多岐にわたります。
コンタクトの移動、データ整理など地味な作業ではありますが、ここでの少しの努力が大きな成果を生み出すことに繋がります。
8. 送信元のドメイン認証を行わない
アンナ・ブレーザー|配信到達率ディレクター
認証されたプライベートドメインから送信しないことは、今日私が目にする最大のミスです。
ドメイン認証はこれまであくまでベストプラクティスとして推奨されていましたが、現在では必須項目と言っても過言ではありません。GmailとYahooの新しい認証ルールにより、認証対応せずに受信箱に届くことを期待することはできません。
確実にメールを届けたいのであればドメイン認証にきちんと対応することが必要です。
関連記事:GmailとYahooメールの新しい迷惑メール判定ポリシーとメール配信者が行うべき対応について
9. 現状に満足して進化を止めてしまう
山本美智|メールマーケティングコンサルタント
メール配信をただのルーティンワークと捉えてしまい、ついつい最新のトレンドやテクニックを学ぶことをやめてしまう人がいます。新しいアイディアを生み出すチャンスや、GoogleやYahooのポリシー変更などの重要な情報をキャッチする機会を逃してしまうことも。
自分が利用しているサービスのブログ記事やセミナーをチェックし、月に30分から1時間程度、メールマーケティングに関する情報収集に費やすことをおすすめします。
Benchmark Emailブログは業界のトレンドや重要データを把握し、新テクニックを学ぶのに便利なため、ぜひ定期的にチェックしてください。
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まとめ
メールマーケティングをマスターするためには、ベストプラクティスを取り入れることと同じくらい、誤った行動を避けることも重要です。
Benchmark Emailのエキスパートたちが語るヒントは、メールキャンペーンに潜む課題とチャンスを浮き彫りにしています。読者理解からタイミングまで、成功の鍵はディテールに目を向けることにあります。
メールマーケティングは常に進化しています。ここでご紹介した失敗ポイントを参考に改善を続けることで、メールキャンペーンをエンゲージメント、オーディエンスとのつながり構築、ビジネス成長のための強力なツールとして活用していってください。